HD55に関する情報


MD内蔵という不思議なナビ、HD55。
AVヘッドユニットIVA-D310を補完するAVNサーバーという意味合いが強い
それだけに、D310以外との組み合わせではさまざまな制約が出るのも事実。
更に、D300/D310との組み合わせでも、意外な制約がある。
冬のボーナス商戦に合わせて出るであろう『HD55フツーVer.』に期待しつつ、
HD55の各機能の制約などについてまとめてみた。





HDDナビ部
 ・ タッチパネル操作専用。故にIVA-D300J/D310J/D310EU、TME-M770/M770Sとの組み合わせが必須
 ・ データ鮮度は以下の通り
    地図(道路)データ : 2004年10月
    タウンページデータ : 2004年9月
    訪問先(個人宅)データ : 1999年〜2004年9月
    過去のVICS統計データ : 2004年12月
    交通情報センサスデータ : 2001年(4月?)
 ・ 地図データの更新は、フロントパネルを取り外しHDDを抜き取って行う
   HDDは原則としてユーザーではなく特約店が外す
   更新作業を特約店で行うのか、アルパインに送って行うかは現時点では未定
 ・ ETCユニットの接続が可能
 ・ 携帯電話ハンズフリーキットの発売は未定


HDDオーディオ部
 ・ INA-D300JN(NVA-HD01)と異なり、ナビとHDDオーディオの同時使用可能
 ・ HDDへの録音は、ヘッドユニットの音楽CDからのみ可能
   WMA/MP3を記録したCD-R/RWからの録音はできない
   MDやメモリースティックからの録音も不可
 ・ 操作は基本的にタッチパネルから行う
   D310/D300以外のヘッドユニットでは、別途M770/M770Sが必要となる
 ・ その他、組み合わせるヘッドユニット別に異なる点は以下の通り
   
ヘッドユニット
IVA-D310J
IVA-D310EU
IVA-D300J 左記以外
(録音対応機)
ソース表示 HDD AUDIO MM DRIVER
→ NAV.
→ HDD AUDIO
MM DRIVER
→ HDD AUDIO
CD録音速度 等速 / 2倍速 等速 等速
CD録音起動 画面内[REC]スイッチ
HD55本体[REC]ボタン
HD55本体[REC]ボタン HD55本体[REC]ボタン


MD部
 ・ 組み合わせるヘッドユニットにより、ソース選択方法が異なる
   
ヘッドユニット
IVA-D310J
IVA-D310EU
IVA-D300J 左記以外
ソース表示 MD MM DRIVER
→ NAV.
→ MD
MD
 ・ MDからHDDへの録音はできない(どのみちSCMSがあるし)
     でもイクリプスはできるみたいなんだよね……アナログ録音だけど


メモリースティック部
 ・ ナビ用途では、最大400登録地点×100ファイルを記憶
  N555のような都道府県単位の地図更新は行われない模様
 ・ オーディオ用途では、CDDBデータの供給のみに使用可能
   WMA/MP3などを記録したMSからの再生はできない
   WMA/MP3などを記録したMSからHDDへの録音はできない
 ・ 小規模なプログラム更新に使用可能(提供は未定)
 ・ N099系/N555系のようなセキュリティー機能は無い


IVA-D310J/D310EU
 ・ D310EUはボタンイルミ色の切替が可能(レッド/アンバー)
   HD55のイルミ色はD310EU接続時のみレッド、それ以外はブルーとなる
   D310EUでアンバーを選択した場合でもHD55はレッドのまま





イクリプス'05モデルとナビの中身は同じ?
  ほとんど同じですが、HD55の方が処理能力が高いです。
  例えばリアルマップのスクロール時、イクリプスではモタつきますが、HD55はスムーズです。


X-perssEngin、400MHzって遅過ぎ!?
  一概にPC用のCPUと比べる事はできません。
  PC用のCPUは ようやく64bit版が出始めましたが、ナビの世界ではN099は既に64bitでした。
  3GHz(3×1000の3乗)の32bit(2の32乗)と400MHz(400×1000の2乗)の64bit(2の64乗)
  単純に比べると、572662306.133...倍ですから…… いや、本当に あくまでも単純計算での話ですが。
  ナビでは
   地点検索 : 大量のデータの中から指定された条件に応じて絞り込み探し出す
   ルート探索 : 道路距離と時間の単純計算を繰り返し、それを比較して より良い物を選び出す
  といった「単純」でありながら「大量のデータを短時間に読み込む」処理です。
  誤解を恐れずに極端な言い方をすれば、PCで行われているのとは異なる特性の処理であり、
  PCはPC、ナビはナビに適したCPUが採用されている、という事なのでしょう。
    ※ 上記は あくまでも「その方面に詳しくない人が大筋で理解できる」事を目的に「説明用」に特化して書いてますので、
     細かいツッコミは ご遠慮ください(笑)


リモコンは使えないの?
  将来的に対応できる可能性はあります。
  タッチパネル専用と言っても、ナビ ― モニター間のケーブルは従来からの13ピンRGBケーブルのままです。
  つまり命令の伝達手段はリモコン操作のナビと同じです。
  違いは命令の種類、つまり
  リモコンの「現在地ボタンを押しています」「10キーの7を押しています」というボタン情報なのか、
  タッチパネルからの「画面の どこを押しているか」という座標情報なのか という点です。
  HD55はボタン情報を「知らない」のでリモコンに対応できないだけで、
  ボタン情報をバージョンアップで「教えて」あげれば対応できるハズです。
  もっとも、D310やM770SががHD55を認識すると あえてボタン情報を出力しない
  という仕様になっていたりすると どうにもなりませんけど……。


ナビ音声案内時のオーディオミュート音量の調整は?
  ナビ音声案内中にオーディオ音量を調節すると、それが音声案内割込時の音量として設定されます。
  ……合理的なようで解り辛いなコレ……。


画面がクッキリだったりボケてたり……個体差?
  ネット上でチラホラ話題に上ってる件。
  確かに同じ機種なのにA店で見た画面とB店で見た画面でクッキリ度に差がある気がしました。
  大マジでメーカーに問い合わせたトコロ、途中での仕様変更はしていないとの事。
  「VISUAL EQの設定が異なったのでは?」との回答もいただきましたが、
  RGB入力からの画像にはシャープネス調整は適応されない気がするんですが、取説 見る限り。
  この件は新たな情報を得次第 随時ご報告します。


COAXケーブルがシート下やトランクまで届かない
  COAXケーブルは『アルパイン専用』『車専用』の規格ではありません。
  元々はホームオーディオなどで使われていた物です。
  (現在では光ケーブルが主流ですが、高級機では健在です)
  しかも、新規にケーブルを制定・製造する必要が無い様、
  既存であったビデオケーブルを使用する規格となっています。
  (実際、かつては端子色がビデオ端子を示す黄色になっていました。
   近年では誤挿を防ぐ為か黒や橙になっているのが一般的な様です)
  つまり、市販されている同軸デジタルケーブルはもちろん、ビデオケーブルでも流用可能です。
  ただし、家庭での使用に比べれば車はノイズ源が多いので、
  ノイズ対策のしっかりした ある程度 高級な物を選ぶ事をオススメします。


どうしてCD→HDD録音は2倍速なの? イクリプスは4倍速なのに……
  私見ですが、データ転送に使うCOAXケーブルの限界ではないでしょうか。
  元々は15年以上前に作られた規格で、24bit×48kHz程度までしか想定されていません。
  CDは16bit×44.1kHzですので、CDの1.6倍速程度が規格上の限界と言ってよいでしょう。
  しかも車内を数メートルにわたって引き回すのですから、
  2DIN内で短距離で結ばれているイクリプスと同じ能力を求めるのは無理があります。
    「回転数が上がる分 作動音が うるさくなるので、それを防ぐ為」とも考えましたが、
    通常、CDは1分間に200回転(内周)〜530回転(外周)、DVDは600回転(内周)〜1500回転(外周)で、
    CD4倍速では最高で2120回転、確かにDVDの回転より高速になりますが、大差 無いかと。


地図データをDVDから更新できるようにすれば よかったのに……
  仮にD310+HD55に その機能があったとしましょう。
  上記のように、COAXケーブルの限界から、CD2倍速録音時相当の転送レートとすると、
  CD1枚(650M)が74分14秒ですから、2倍速なら37分07秒。
  仮に地図データが20G(20000M)だとすると、19時間かかります。
  その間、エンジンはかけたまま、またはキーをACC以上に。
  それでも やりますか?(笑)